【映画】蛍の墓

『火垂るの墓』です。日本人なら誰でも知っているあの映画、夏の風物詩ともなりつつありますが、実家では母が「かわいそう過ぎる」と決して見ませんでした。私は昔は何度も観ましたが、年を取るにつれてやはり観るのがつらすぎて次第に遠ざかるようになりました。そういう類の映画なのかもしれません・・・。

これはよく知られている通り野坂昭如の短編小説をもとに作られたジブリ映画ですが、英語版が『Grave of the Fireflies』としてアメリカのAmazonでも売っており、アメリカでも非常に高い評価を得ています。


私はアメリカのAmazonで購入したDVDで観ていますが、英語と日本語の音声を切り替えたり字幕をつけたりできるので、外国人でも一緒に観られます。ただし、映画などのDVDに関しては、少し古いものだとリージョン(地域)コードなるものがあり、アメリカのDVDは日本のプレーヤーでは再生できなかったりしますので要注意です。やはりこの手のものは日本のAmazonから購入した方がいいかもしれません。

『Grave of the Fireflies』
日本でも観られる英語音声つきDVDです。




うちは子どもが英語の環境で育っており(身近で日本語を話すのは私のみ・・・)、日本語の語彙や会話力をつけるために日本の番組や映画は欠かせません。その中でもジブリ映画は大人が観ても楽しいのと、日本語が綺麗なので活躍しています。

まだ幼児ですので、基本英語と日本語の吹き替えが切り替えられるものを選び、普段は日本語で、たまに英語で観るようにしています。言葉を話し始めて間もないころから、教えてもいないのに綺麗な日本語で、「お母さん、私~したい」などと(映画からそのまま)話したりしてびっくりしました。

アメリカでもジブリ人気は高く、有名どころのDVDは公共の図書館でも借りることが出来ます。




この映画の原作となった小説(というよりは半分実話)を書いた野坂昭如さん(のさかあきゆき、さんと読むそうです)は、1930年に生まれ2015年に亡くなっています。戦時下で実際に2人の妹を病気と餓死で亡くしており、その実体験が元になっています。ただ、映画で妹に献身的に尽くす清太とは違い、ご本人は普通の10代の少年らしく、妹よりも自分の食欲を優先し、泣き止まない妹を殴って脳震盪を起こさせたりもしていたそうです。骨と皮だけになって亡くなった妹に、優しくしてやればよかった、と思う、とご本人は述べています。

こちらの小説は文庫となっていますが、映画とともにぜひ読んでいただきたい直木賞受賞作品です。一緒に収められているアメリカひじきという短編も、戦後のストリートライフが大変リアルに想像できる作品でした。




 アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)


言葉はいらない、名作です。