【J.D. Salinger】The catcher in the rye(ライ麦畑)2

今までの話:【J.D. Salinger】The catcher in the rye(ライ麦畑)1


それ以来なんども読み直しています。特に何もかもうまくいかないような時に手に取ることが多いのは、無意識のうちにホールデンに共感してるのか・・・。


この本、英語が平易だといわれていますが、本当に読みやすいです。原作を読んではじめて、なんだかニュアンスが伝わりました。そういう本だったみたいです。例えば主人公が、

Grand.


と言い放つ場面があるのですが、これとか日本語でどう訳せばしっくり来るのか分かりません。訳本は訳本で味があるのですが、ぜひ。原作を読まれることをお勧めします。私もわざわざ娯楽のために英語の本読むの嫌なのですが、なぜかこの本は英語の方が読みやすいです。日本のアマゾンでもレビューがあり、英語で読んでる人結構いるようです。

→  
アマゾンのレビューを読む

いろんな人の感じ方があって、感想読んでるだけで面白いです。

また、原作を読んで思ったこと。題名の「ライ麦畑でつかまえて」ですが、原題は「The catcher in the rye」で、Catcher キャッチャーつまり捕まえる人です。


これは、最後の方で主人公が幼い妹に「将来何がしたいの?」(痛)と聞かれた際の答えに由来します。「崖の上にあるライ麦畑で子どもたちが遊んでる。その子たちがうっかり崖から落ちないように崖のふちに立ってて、捕まえる人になりたい。」といいます。で「The Catcher」なのですが、邦訳では「Catch me」つかまえて、となっています。

これがどうにも腑に落ちなかったのですが、人によってはこれを「主人公は自分もどこかに落ちそうになるのをつかまえてほしかったんだ、それを邦題はよく表してる」という解釈もあって、それも面白いと思いました。

The Rye Field (Aleksei Savrasov, 1881)


また、近年村上春樹による訳も出版されて話題を呼びました。その時は文庫がなかったのでやむなく買いませんでしたが、今は新書が出てるようなのでぜひ読んでみようかと思います。ちなみに村上訳は題名がそのままになっています。



ところで、村上春樹は海外で大変人気があります。それも、どちらかといえば Alternative な感じの層に支持されているようで、そういう本屋でよく売れているようです。私のお気に入りの本屋 Kramers(DCにある不思議本屋 ↓ )にも平積みされています。また、なぜか連邦崩壊後のロシア人若者に支持されているらしく、モスクワで平積みされてたのにはびっくりしました。村上春樹は全作(当時)ロシア語翻訳されてるとのことです。すごい人気です。

どこにもない本がみつかります。
素敵なカフェバーもついてます。


作者 J.D.Salinger は公の場に出ることを嫌い、1980年のインタビューで「書くのは好きだし、日常的に書くことはやめていない。だが自分のために書いているだけだ。私のことはそっとしておいてほしい。」と話したのを最後に田舎にこもったままでした。


Salinger  は 2010年に老衰で亡くなりました。91歳でした。去年ニュースを聞いたとき、これだけ気に入っているわりには本人がまだ生きてることすら知らなかったので動揺しました。なんとなく文学史の中の人のような気がしてました。

・・・ 発表以来60年近く経った今でも版を重ねている。累計発行部数は全世界で6000万部、アメリカで1500万部を超え、2003年時点でも全世界で毎年25万部が売れるという。」(Wiki)
The catcher in the rye  (講談社英語文庫) (Kodansha English library)


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