Pam さんには Joey 君というかわいいお孫さんがいて、その子の目に(正確には目の中に)癌ができました。不幸な縁ですが、それがきっかけで 祖母 Pam さんのことを知ることになりました。
以下、Pamさんの許可を得て、Joey君についてここに書きたいと思います。
Pam さんには Joey 君というお孫さんがいました。
Joey 君。 |
このJoey 君が2歳のときに、 Retinoblastoma(網膜芽細胞腫)という診断を受けました。Retinoblastoma (以下略 RB)とは主に5歳児未満に見られる、目の中にできる癌です。
Retina = 網膜 にできる癌です。 |
Retina(黄色くみえる部分)に癌ができます。 |
Joey 君の診断を受けて、Pam さんは RB について猛烈に調べました。
そして、RB は治せる癌だということを知ります。ただし、早く見つけられさえすれば、の話ですが。
「早く見つけられさえすれば」生存率は9割を超えますし、目を保存することも可能です。もし癌が進んでいて眼球を取り出さないといけなくなったとしても、癌細胞が眼球内だけにおさまっていれば、義眼にはなりますが命は助かります。
それでは、「手遅れになる前に」この癌を見つけるにはどうすればいいのでしょう。Pam さんによると、2点あります。
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まず第一に、乳幼児の定期健診などで簡単な検眼をすること。
まず第一に、乳幼児の定期健診などで簡単な検眼をすること。
検眼というのは、検眼鏡という 「虫めがねとペンライトが合体」したようなライトで目を診察することです。要は虫めがねで目玉の中をのぞいているようなものです。アメリカの小児科では、乳幼児の定期健診では必ずといっていいほど行います。
5分もかかりません。 |
検眼は瞳孔を拡げる目薬を使うのが理想的ですが、暗い部屋で検眼鏡を使うだけでも効果的です。このシンプルな目のチェックにより、かなりの割合で RB を早期発見することが可能です。
残念なことに Joey 君のかかりつけの小児科医は、定期健診の際に一度も検眼鏡を使って目をチェックしたことはなかったそうです。RBは、目玉の中にカリフラワーのように癌ができるのですが、外見は相当進行するまで変化がなかったりします。小さい子の場合は特に「見えにくい」などとも言わないので、発見が遅れることがあります。
斜視などの症状が出ることもあります。 |
第二に、「写真で目が白く写る」サインを見逃さないこと。
写真を撮るときフラッシュに反射して赤目になることがあります。これが白く写った場合 、RB を早期発見するのに役立つという話を聞いて Pam さんは愕然としたそうです。
というのも、Pam さんが撮った Joey 君の写真の中にはフラッシュに反射して片目だけが赤く(これが普通)・もう片方の目が白く写っているものがたくさんあったのです。診断の一年ちかく前に撮 られた写真にもはっきりと写っていました。もちろん祖母 Pam さんには、それがどんなことを意味するのか分かるはずもありませんでした。
写真を撮るときフラッシュに反射して赤目になることがあります。これが白く写った場合 、RB を早期発見するのに役立つという話を聞いて Pam さんは愕然としたそうです。
というのも、Pam さんが撮った Joey 君の写真の中にはフラッシュに反射して片目だけが赤く(これが普通)・もう片方の目が白く写っているものがたくさんあったのです。診断の一年ちかく前に撮 られた写真にもはっきりと写っていました。もちろん祖母 Pam さんには、それがどんなことを意味するのか分かるはずもありませんでした。
Joey 君。癌のある右目が白く写っています。 |
"I was taking pictures of the tumor reflecting the light and did not know it."
私は癌が光を反射している写真を撮っていたのに、それに気がつかなかったのよ。
すべて診断前の写真です。 |
Joey君の癌は、発見が遅れたために脳に転移しました。
そして 2000年のクリスマス直前に、治療の甲斐もなく、Joey君は自宅で息を引き取りました。3歳という短い命でした。
Joey Bergsma 君
1997年7月5日 - 2000年12月22日
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Joey君が亡くなる直前、祖母であるPamさんは 誓ったそうです。
「この病気で死ぬのはこの子で最後にしよう」と。
「この病気で死ぬのはこの子で最後にしよう」と。
お葬式の翌日から、Pam さんはJoey 君におこった悲劇を繰り返さないためにできることを一つ一つやり始めました。
以下にあげたのは、Pamさんの活動のほんの一部です。
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- Joey君のサイトを作って啓蒙
- 小児科医に働きかけ、すべての子どもの定期健診に検眼を含めるよう提案
- すべての子どもに眼底検査を義務付ける法律を州政府に提案
- Joey Bergsma Retinoblastoma Awareness Foundation(RB啓蒙基金)を設立
- ポスターを配ったり、TVやラジオに出演して啓蒙
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今年で10年目になりますが、Pam さんは今でも続けています。
今年で10年目になりますが、Pam さんは今でも続けています。
またPam さんは依頼があればどこにでも講演やプレゼンに出向くつもりだとも言っていました(海外はどうかわかりま せんが)。
Pam さんが作ったJoey君のサイトはこちら (英語): http://www.lovejoey.com
Pam さんの連絡先はこちら (英語): lovejoey@bellsouth.net
Pam さんが作ったポスターです。
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Pam さんのことをここに記す私の目的は3つあります。
1. 医師のみなさんが検眼をしてくれること
2. 片目が白い子どもの写真を見たときにハッとする人が1人でも増えること
3. 私自身が啓蒙(Awareness) されたように、この小さな知識が広まること
私にもできるほんの小さな行動です。
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