【医学】掌蹠膿疱症1(20年間の軌跡)

掌蹠膿疱症、という疾患を聞いたことがありますでしょうか。しょうせきのうほうしょう、と読みます。


掌蹠膿疱症とのつきあい

私は20代前半~40代前半まで、実に20年間もの長い間この疾患に苦しめられてきました。どういう機序でこの病気になるのか等はよく分かっておらず、90年代はまだまだネット検索も一般的でなく、医師にもあまり知られていなかったのか、正式に診断されたのはつい最近です(自分で調べに調べて、既に診断にたどり着いた後でしたが)。

この病気では、手の平や足の裏に膿を伴った膿疱(のうほう)ができます。膿疱とは、水ぶくれのようにぽつぽつ膨らんだ中に黄色い膿が入ったものを言います。

いわゆる難治性の慢性疾患で、治ってはしばらくするとぶり返し、という状態を繰り返します。当時はステロイド軟膏が主な治療(対処)法でした。

Google画像検索で「掌蹠膿疱症」と入れると多くの画像が出てきます(クリックで飛びます)。多少の差はありますが、私の症状もほぼこのような感じでした。


衝撃的な最初の(誤?)診断

私が最初に発症したのは大学卒業間もなく、アフリカに住み始めた頃でした。とは言え、その前からも常に手荒れがひどく、実家でもお皿洗いは私だけ免除されていたくらいですので、軽症ではあるもののすでに発症していたのかもしれませんが・・・

アフリカに住んでいた時に急に手のひらいっぱいに黄色い膿のたまった膿疱がびっしりと出来、こぶしを握ることもできない圧迫感というか熱感を伴う痛みが・・・。

現地の病院に駆け込んだところ、「毒グモ💀にでもやられたかな~」と呑気な医師の発言(!)。毒グモ!?とおののく私には構わず、彼は私の手のひらを押さえつけると、すごい刺激臭のする液体を振りかけ、脱脂綿でゴシゴシと手のひらをこすり取り始めました。

何もしていなくてもジンジンと痛む手のひらの皮を力任せにゴシゴシとこすられ、悲鳴をあげる私に、看護師まで参戦して手のひらを押さえつけます・・・20年経った今でも、書いてるだけで吐き気がするほどにエグい体験でした・・・。

(ちなみにココに現地で実際に出没したエグい蜘蛛の写真を貼ろうと思ったのですが、あまりにリアルなので自粛しました(;^_^A)

その時はさんざん擦られて水疱がいくらか潰れた後に何かの軟膏を塗られ、ヨロヨロと帰宅しました。当時はインターネットのような便利なものもなく(住んでいたところは電気も来てなかったし・・・)、本当に毒グモによって手がかぶれたのかと思っていました。



↑ 当時住んでいた村です。


慢性的に繰り返す症状

ところがその後日本に戻ってからも同じ症状が出て、病院に行ったところ「原因不明(多分これはアフリカ帰りということもあったのかもですが)」とのこと。

その後あちこちの国に移住していた間も、いくらかよくなったと思えばまた水疱が悪化して、しばらくすると潰れて皮が剥け・・・という症状を慢性的に繰り返していました。大体一度始まると半年から1年くらいはズルズルと続き、だんだん治っていって綺麗になって、また数ヶ月経つと少しづつ水疱が出来て・・・というのを何年も繰り返していました。

水疱が出てくる直前、まだ皮膚の見た目は普通の状態の時に痒みというかチクチクと違和感があり、水疱が出来てからは痛みや熱感があり、その後黄色っぽくはがれてくる間は引っかかってひび割れたり水が滲みたり、というのが典型的な症状でした。

そして、長いこと症状は両手のみでしたが、30代後半に急に足の裏の皮がぶつぶつになり剥け始め、歩くのが耐え難いほどの痒みが出現。南国に住んでいたのもありてっきり水虫かと思って現地の大きな病院で検査を受けたところ「水疱内は無菌だったので、汗疱性湿疹のようなものだろう」との診断でした。ちなみにこの検査も、痛痒い足の裏のぶつぶつを剃刀のようなものでコソコソとこそぎ取りその皮膚をラボに回すという、なんとも悶絶ものの(くすぐったがりなので)検査でした。


この体験について記す理由

なぜ私が急にこの持病について公開ブログに書こうかと思ったか?

手のひらに水疱が出来る、と聞くだけでは、何がそこまでつらいの?と思われる方も多いと思います。実際もっと大変な病を抱えている方にとっては全然大したことないと思います。

でも、手、って毎日何かと使いますよね。普段の生活はもちろん、その間に出産したので赤ちゃんのお世話や、私は医師だったので一日に何度も手洗いやゴム手袋をはめたりしていました。外科手技の際などは、大変強い洗剤で爪の間までゴシゴシと洗います。そのたびに水疱が潰れて飛び上がるほど滲みるのです。

また、ステロイド軟膏をテラテラに塗った真っ赤な水疱だらけの手はとても目立ちます。外国では握手の機会が大変多いですが「手がコレなので握手は・・・」と見せたときのあの「うわっ・・・」という視線。

私は子供時代アトピーにも苦しめられたのですが、見た目に影響がある皮膚疾患というのは、心身ともに大変つらいものです。アトピーも掌蹠膿疱症も、人にうつるものではありませんが、自分で見ても気持ち悪い・・・と思うほどなので、他人から見たらどんなに不快だろう、と悲しくなります。

ガサガサと皮が剥がれたり包帯で隠したりしているのも不潔に見えるし、特に子供というのは残酷なものでひどい言葉を投げかけられたりもしたものです。

手の状態がひどく軟膏でべたべただった時に、仲の良かった友人が握手をしようとしてきたので慌てて「今手がひどいから・・・」と手を引っ込めようとしたのですが、「そんなこと気にしないで」とギュッと手を握ってくれたことがあります。その子の手に膿や軟膏のべたべたが付いてしまった、と慌ててふき取ろうとしたときに「いいから!」と怒ったように言われて、何とも申し訳ないというか、情けない気持ちでいっぱいでした。

手のひらだけでなく、甲の方まで水疱が広がって常に手を隠していた当時は(誤解を恐れずに書きます)「もっと深刻でもいいから、内臓とか他の人に見えない部分の病気がよかった」と本気で思っていました。職場での毎朝の激痛手洗いが本当に気が重く、そのために仕事に行きたくないと思うほど、ある意味生活を支配されていました。


症状改善のために実行した3つのこと

その後自分なりに色々と調べ、医学文献を読み漁り、色々な医師の知見を仰ぎ、自分なりに3つのことを試してみた結果、症状が劇的に改善しました。そしてここ数年まったく症状が出ていないのです。

これを20年前の私に教えてあげたかった。この手の疾患は個人差があると思うので私に効いた治療が他の人にも効くとは限りませんが、それをシェアしたかったのです。先に記しておきますが、カルト的なものでも、高い商品を売りつけたりするようなものでは決してありません。そこだけはご安心くださいね。


決定的だったと私が思う3つのこと

結論から書いてしまいます。

1)金属
2)歯科治療
3)ビオチン不足

この3点です。もしかしたらストレスレベルや食べ物、また出産など、何かしら自分の気づいていない部分で変化があったのかもしれませんが、効果をてきめんに感じたのはこの3つです。

私も今の時点でほぼ5年弱、症状は抑えられていますが、完治したのかどうかは分かりません。ですので、今後のためにも他にも自分にはこれが効いた、などの情報がありましたらぜひコメントででもシェアしていただけましたら嬉しいです。

次回はこの3点について詳しく書いていきます。


次に続く:【医学】掌蹠膿疱症2:金属について


【医学】掌蹠膿疱症1:20年間の軌跡
【医学】掌蹠膿疱症2:金属について
【医学】掌蹠膿疱症3:歯科治療について


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